本日のPTA図書委員の皆さんによる読み聞かせは6年生対象に実施されました。絵本の内容もこれまで以上に自分事として考える内容になっていました。
1冊目は「ヤクーバとライオン(1)勇気」でした。
黒一色で描かれた力強い絵で,主役は一見無表情のヤクーバ。しかし、そのまなざし、姿勢に魂が表れ、ライオンもまた、その体の線、たてがみ、きばが、すべてを語っていました。勇気とはなにか? それが、この絵本のテーマです。 少年ヤクーバは、戦士になる証として、ライオン狩りに出かける。彼の村では、ひとりでライオンと戦って、それを仕留めることで、戦士として、大人として認められていきました。 ところが、ヤクーバが出会ったのは、傷ついたライオン。ライオンは、ヤクーバの前に身を横たえながら、彼の取るべき二つの道を示します。それは、真に「勇気がある」とは、どういうことかを、彼に問うものでした。 ライオンは、もちろん言葉は話さない。しかし、ヤクーバに問いかけたというのは、すなわち、ヤクーバの側に、自分が今、どうするべきなのかを常に問える素質があったからでした。ライオンの目に、その問いかけを読んでいるようでした。 ヤクーバには、とるべき道がすでに心にあっただろう。しかし、現実の前に悩む。夜明けまで。そこでの時間に、ヤクーバとライオンの間にあったものを思うと感動します。そして、ヤクーバは、ついに決心する…。 この物語は、勇気や気高さとは何かということを、まっすぐに問いかけてくれる。読む側も、真っ直ぐに受け止め、考えざるを得ない。そんな力のある絵本でした。「戦わない」という、勇気。
日本の社会に目を向けると、いじめられた子が復讐の事件を起こす。虐待された子がやがて虐待する側にまわる。これも同じ悪循環だ。もうひとつの道――『殺さないことだ』という、ライオンの問いかけは重い。」と感じました。
2冊目は「ともだち」でした。
「友達とは,あなたにとってどんな存在ですか?」というテーマで,読者に何度も何度も問いかけてくる絵本でした。大きく2つに分かれ,聴き方として,前半はしっかりと聴く,後半は目をつぶって聴くというスタイルで読み聞かせを行っていただきました。 6年生にとっては「友達の大切さ」を改めて考える機会になったことと思います。
PTA図書委員の皆さまには,お忙しい中,4日間のわたり児童のために読み聞かせを実施していただきありがとうございました。
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